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みなづち
@minaduchi
ゲイ×強迫性障害のぼく。そんなぼくのネットだから言える本音をゆるっと発信。現実世界では隠して生息してるけどネットではさらけ出している。ゲイを自覚して20年。強迫性障害を発症して15年。
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同性パートナーが倒れたら|面会も同意もできない現実と同性婚

同性パートナーが倒れたら|面会も同意もできない現実と同性婚

ゲイのみなづち(@minaduchi)です。

もしあなたの大切なパートナーが、ある日突然倒れて救急車で運ばれたら。多くの人は「すぐに駆けつけて、そばで付き添う」と考えるはずです。

ところが同性カップルの場合、病院の窓口で「ご家族ではないので」と告げられ、面会も病状説明も断られることが、いまの日本では起こり得ます。

これは特別な不運ではなく同性婚が認められていないことから生まれる制度そのものの問題だといえます。

本記事の結論を先に述べると、同性パートナーが医療現場で直面する壁は、二つの空白が重なって生まれています。一つは同性婚の不在、もう一つは日本の成人医療における代理意思決定の仕組みの薄さです。

この二つを切り分けて考えると、「同性婚で解決すること」と「同性婚だけでは解決しないこと」が見えてきます。そこまで理解して初めて、本当に必要な対策がわかります。

本記事では、以下のポイントから解説します。

  • 救急・入院で起きる面会と情報の遮断という現実
  • 「医療同意」という最大の壁と、内縁認定という見えないハードル
  • 精神科の医療保護入院に同性パートナーが入れない法律の壁
  • 同性婚で変わる部分と、それでも必要な備え

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目次

同性パートナーが倒れても「家族ではない」と退けられる現実

同性パートナーが倒れたら|面会も同意もできない現実と同性婚

この記事で最も伝えたいことを、最初にお伝えします。同性パートナーが倒れたとき、面会・病状説明・医療同意から締め出されやすいのは、本人たちの努力不足でも病院の冷たさでもなく、いまの法律が二人の関係を「家族」として扱っていないことに原因があります。

長年連れ添い、生活も家計も共にしていても、医療機関の窓口では「法律上の家族ではない」という一点で線を引かれてしまう。これがいまの日本の現実です。

ただし、この問題はもう一段深い構造を持っています。日本では、そもそも成人が判断能力を失った場面で、誰がどこまで代わりに決められるのかという法律の枠組みが薄いのです。

厚生労働省のガイドラインでさえ、家族の同意権限すら法律上明確な根拠はないと整理しています。つまり同性パートナーは、いわば婚姻から排除される不利益と、医療の代理意思決定法制が薄いという不利益の二重に置かれているのです。

だからこそ、必要なのは「同性婚か、実務的な備えか」という二択ではありません。婚姻の平等と、医療現場の仕組みづくりの両方です。この記事では、その理由を順番にほどいていきます。

ゲイの僕が「倒れたとき、誰が来てくれるのか」を考えた話

同性パートナーが倒れたら|面会も同意もできない現実と同性婚

ここからは、当事者としての実感を少しだけ書かせてください。僕自身、同性婚をめぐるニュースを追うなかで、「もし自分が倒れたら、誰が病院に来てくれるのだろう」と考えたことが何度もありました。

歓喜のニュースの裏で感じた不安

高裁で違憲判断が続いたとき、僕はうれしさと同時に、ふと冷たいものを感じました。判決が出ても、明日の救急搬送には間に合わないという現実を知っていたからです。

以前、知人の同性カップルから、片方が入院したときに「ご家族ではないので面会できない」と言われ、本人の親を呼び出してもらうしかなかったという話を聞いたことがあります。

長く一緒に暮らした相手が、いちばん心細い瞬間に病室の外で立ち尽くす。その光景を想像したとき、これは他人事ではないと感じました。

二人がどれだけ深い関係でも、いまの制度では紙の上の「家族」でなければその事実は簡単に無視されてしまうのです。そう気づいたとき、制度というものの冷たさを実感しました。

「その時、自分は待合室の外なのか」という問い

僕が怖いと思うのは、自分が意識を失った場面で、いちばん事情を知っている人が遠ざけられることです。普段飲んでいる薬やアレルギー、これまでの経緯を、最も正確に話せる人が締め出される。

それは本人にとっても、治療する医療者にとっても損失のはずです。制度について調べるほど、これは感情の問題ではなく仕組みの問題だと考えるようになりました。

だからこの記事では、つらさを訴えるだけでなく、なぜこうなるのか、どうすれば変えられるのかまで踏み込みたいと思います。

同性パートナーが救急・入院で直面する面会と情報の壁

同性パートナーが倒れたら|面会も同意もできない現実と同性婚

まず押さえておきたいのは、最初の壁が「会えない」「教えてもらえない」という、ごく入り口の段階で立ちはだかることです。

法的な婚姻関係にある夫婦なら、配偶者が救急車に同乗し、搬送先で医師から説明を受け、そのまま付き添うことは当然のように扱われます。

「法律上の家族ではない」という一言

ところが同性カップルの場合、受付で関係性を問われ、「パートナー」と答えた瞬間に、個人情報保護や院内規定を理由に、安否や搬送先の情報すら伝えられないことがあります。

実際に2020年には、同居する同性パートナーが緊急搬送された後、移送先の病院名の開示を「法律上の家族ではないので情報は出せない」と断られた相談事例が報じられています。

入院の場面でも、生活用品を届けに行ったのに「家族ではないので面会できない」と拒まれ、わざわざ本人の親を病院に呼び出して、その親を通してしか荷物を渡せなかったという事例が報告されています。

親族が呼び出され、本人の意思が置き去りになる

ここで深刻なのは、本人がいちばん信頼するパートナーが遠ざけられる一方で、疎遠だったり関係が良くなかったりする血縁親族が、強制的に医療の窓口へ引き出されてしまうことです。

性的指向を親族に伝えていない人にとって、これは望まないかたちで関係を知られる危険、つまり意図しないアウティングにつながりかねない深刻なリスクでもあります。

情報が止まる背景には、個人情報の扱いもあります。病状や診療情報は、法律上とくに配慮を要する個人情報とされ、本人以外に伝えるには本人の同意が原則です。

その同意は文書である必要はなく、口頭でもよいとされています。だからこそ、本人が元気なうちに「この人には病状を伝えてほしい」と意思を示しておくことが、いざというときの壁を低くします。

もっとも、ここには救いになる公式の考え方もあります。厚生労働省の終末期医療のガイドラインは、話し合いに加わる「家族等」を法的な親族に限らず、本人が信頼を寄せる親しい友人なども含むと定義しています。

つまり制度の上でも、本人が信頼する人を輪に入れる発想はすでに示されているのです。問題は、それが救急や一般病棟の現場にまで十分には行き渡っていないことにあります。

医療同意という最大の壁と日本の制度の空白

同性パートナーが倒れたら|面会も同意もできない現実と同性婚

面会や説明の壁を越えられても、その先にもっと大きな壁があります。手術や延命治療といった重大な場面での「医療同意」です。

ここで結論から言うと、じつは日本では配偶者であっても医療行為そのものへの万能の同意権が法律で定められているわけではないのです。これは同性カップルだけの問題ではなく、日本の医療制度全体に関わる空白です。

日本では配偶者ですら万能の同意権はない

医療行為は本来、判断能力のある本人の同意が原則です。本人が意識不明などで意思を示せないとき、現場は慣習として家族に同意を求めてきました。

ただし厚生労働省のガイドラインは、家族の同意権限すら法律上明確な根拠はないと整理し、成年後見人であっても医療行為そのものの同意はできないとしています。

つまり日本には、本人が判断能力を失った場面で使える、包括的な医療代理の制度がそもそも整っていないのです。その慣習のなかで、法的な裏づけを欠く同性パートナーだけが、いっそう外されやすくなっています。

病院が署名を慎重に扱う背景には、後から現れた親族とのトラブルや訴訟への懸念もあります。法的な裏づけのない人に重大な判断を委ねることへの不安が、結果として当事者を遠ざけてしまうのです。

内縁認定に求められる「同居実態」というハードル

同性カップルが事実上の家族として扱われる場面でも、もう一つの壁があります。それは「内縁(事実婚)」として認められるかどうかという問題です。

内縁関係の認定について法律上の明確な定めはありませんが、一般的にはおおむね3年程度の同居実態と、夫婦同然の共同生活の実体、そして婚姻意思などから総合的に判断されるとされています。

異性カップルであれば、婚姻届を出した翌日から「配偶者」として扱われます。ところが同性カップルは、婚姻という選択肢自体がないため、何年も一緒に暮らした実績を積み重ねた上で、ようやく「内縁に準ずる関係」として個別に認めてもらえるかどうかという立場に置かれます。

ここに、婚姻の有無が生む決定的な不平等があります。つまり異性カップルなら一日で得られる立場を、同性カップルは何年もかけて証明し続けなければならないのです。

横須賀市というハードルを下げる先進例

一方で、国の法律が動かないなかで先回りして動いた自治体もあります。神奈川県横須賀市は2016年から、市立2病院の指針として、意識不明時の手術同意書への署名を同性パートナーにも認めると明確化しました。

注目すべきはこの制度がパートナーであることの証明を「自己申告のみ」で認めている点です。公正証書などの公的書類の提示や、他の家族への電話確認は必要ありません。これは制度を提案した藤野英明市議会議員も公式に明言しています。

横須賀市はさらに2024年7月から、同性カップルの住民票の続柄欄に「夫(未届)」「妻(未届)」と、異性間の事実婚と同じ記載を可能としました。これは神奈川県内では初の取り組みです。

つまり横須賀市は、同性パートナーが医療現場で家族として扱われる仕組みを、いわば自治体として先回りして整備した先進例だといえます。

ただし、これはあくまで一自治体の取り組みです。多くの自治体や民間病院では、いまも法律上の家族でなければ署名を受け付けない運用が残っています。緊急の現場で、住んでいる地域によって受けられる対応が変わってしまう状況は、それ自体が大きな不平等です。

精神科の医療保護入院に、同性パートナーは入れない

同性パートナーが倒れたら|面会も同意もできない現実と同性婚

一般の診療科では、病院の裁量や自治体の指針で柔軟な対応を引き出せる余地があります。しかし精神科医療には、現場の裁量では動かせない、法律の壁が立ちはだかります。

医療保護入院の「家族等」という壁

精神疾患が急に悪化し、本人が同意できない状態でも入院が必要なとき、「医療保護入院」という仕組みが使われます。本人の同意なく入院させる強い措置のため、誰が同意できるかが法律で厳しく定められています。

精神保健福祉法が定める同意権者の「家族等」には配偶者・親権者・扶養義務者・後見人または保佐人が並び、同性パートナーはここに含まれないとされています。

精神保健福祉法は2022年に改正され(2024年4月施行)、入院期間の上限設定などが見直されましたが、家族等に同性パートナーが加えられることはありませんでした。

実際、埼玉県立精神医療センターの対応指針も、本人の同意があればパートナーへの説明はできるとしつつ、医療保護入院の同意は「法令上、対象が限られる」ため対応できないと明記しています。これは一病院の冷淡さではなく、法律に従わざるを得ない現場の苦悩を映したものです。

裁量ではなく法律が阻む

この場面では、同居する同性パートナーが救急車を呼び、付き添ったとしても、同意権を持てません。病院は何十年も連絡を取っていない血縁者を探し出すか、最終的に市町村長の同意を得る手続きに進むことになります。

最も身近で、本人の状態を日々見守ってきた人が、最も保護が必要な瞬間に制度から外される。人権を守るために厳格化された法律が、多様な家族を想定していないために、必要な医療への到達を遅らせてしまうのです。

退院後の暮らしを支え、再発の兆しに最初に気づくのも、多くはいちばん近くにいる人です。その人を意思決定から外すことは、回復の道のりにとっても妨げになりかねません。

そして重要なのは、ここは同性婚が実現すれば配偶者として自動的に解決する部分だという点です。婚姻の有無が、そのまま生死に関わる時間を左右しています。

同性カップルの排除は医療を超え住居・相続・出産にも及ぶ

同性パートナーが倒れたら|面会も同意もできない現実と同性婚

「法律上の家族ではない」という論理は、医療現場だけにとどまりません。住居、相続、そして新しい命を迎える場面でも、同じ理屈が当事者を締め出しています。

住居・相続で繰り返される「家族ではない」

住まいの場面では、2024年10月に、福岡市の賃貸物件の募集条件で「ペット不可」と同じ並びに「LGBT不可」と掲げる例が複数確認されたと報じられました。

人としての尊厳に関わる条件が、物件の保全と同列に置かれている。長く同居し家計を共にしていても、不動産の世界では「友人同士のルームシェア」と見なされ、審査で落とされることが起こり得ます。

相続の場面はさらに深刻です。国税庁は、配偶者は常に相続人になる一方、内縁関係の人は相続人に含まれないと明示しています。

同性パートナーは法定相続人になれません。遺言で財産を渡すことはできても、のこされたパートナーは配偶者の税額軽減を使えず、相続税が2割加算される場合もあるため、経済的な不利益が残ります。

長年二人で暮らした住まいを遺言で残しても、税の負担は重くなりがちです。住まいや老後の安心にまで、婚姻の有無が静かに影を落とします。

出産の場面でも壁があります。2023年には、都内のレズビアンカップルが分娩の受け入れを断られたと報じられ、ある当事者は「結婚できれば日本を出なくてもよかった」と語っています。安全に子を産む選択さえ、制度の不在によって狭められているのです。

パートナーシップ制度が届かない場所

こうした空白を埋めようと、自治体のパートナーシップ制度は急速に広がりました。2025年5月末時点で530の自治体に導入され、人口カバー率は約92.5%に達しています。

大阪府のように公立病院の面会などで使える先を公開する自治体もあり、渋谷区の調査では、面会や手術の場面で関係性を説明する補助として役立ったという声も記録されています。

ただし、この制度には決定的な限界があります。じつは自治体の制度には法的な拘束力がなく、民法や精神保健福祉法といった国の法律を上書きできないのです。

医療同意の権限を与えるものでもなく、民間の病院や不動産会社を縛ることもできません。実務上の通行証にはなっても、婚姻が持つ法的な効果の代わりにはならない。ここに、つぎはぎの対策の限界があります。

裏を返せば、住まいから医療、相続までを一度に支える土台は、いまの日本では婚姻という制度にしかありません。すき間を一つずつ手当てするだけでは、根っこの不平等は残り続けます。だからこそ、土台そのものを整える必要があるのです。

同性婚で変わる部分と、それでも備えておきたいこと

同性パートナーが倒れたら|面会も同意もできない現実と同性婚

ここまでの事実を総括すると、必要な対策は一つではなく、二つの層に分けて考える必要があることが見えてきます。

第一に、同性婚が法制化されれば改善する部分は大きいということです。戸籍や婚姻の証明によって「友人ではなく配偶者」として扱われ、面会や説明の入り口は格段に通りやすくなります。

精神保健福祉法の「家族等」にも配偶者として含まれ、内縁関係かどうかを一件ずつ確認されるような証明の負担も不要になります。相続や税制の格差も、婚姻によって大きく埋まります。

第二に、それでも残る部分があるということです。日本の現行制度では、異性婚の配偶者であっても、包括的な医療同意権を当然に持つわけではありません。

だからこそ、海外でも婚姻の平等と医療代理の仕組みは両輪で整えられてきました。英国は婚姻平等に加えて医療代理の制度を持ち、ドイツは2023年から、本人が決められない緊急時にかぎり配偶者の医療代理を限定的に認め、米国は患者が指名した人を尊重し、台湾は同性婚と患者の自己決定法をともに備えています。

国内でも、法改正を待たずに始められることがあります。面会や病状説明、緊急連絡といった役割ごとに、患者が指名した人を同性か異性かを問わず登録できる全国共通の様式を整えることは、その一歩になります。

日本に必要なのも、この二段構えです。婚姻の平等という土台を築きつつ、本人の意思をあらかじめ記録し、信頼する人に託せる仕組みを整える。これは同性婚さえあれば全部解決するわけでも、契約だけで足りるわけでもないという、現実に即した結論です。

まとめ:倒れたとき、家族でいられる社会のために

最後に、この記事の結論をあらためてお伝えします。同性パートナーが倒れたときの不利益は、感情論ではなく現実であり、その原因は同性婚の不在と、医療の代理意思決定法制の薄さが重なっていることにあります。

  • 同性パートナーは面会・情報・医療同意から構造的に排除されやすい
  • 原因は同性婚の不在と、日本の医療代理制度の薄さという二重の空白
  • 解決には、婚姻の平等と医療代理の仕組みづくりの両方が必要

倒れたその瞬間に、大切な人のそばにいて、手を取り、ともに決断する。その当たり前を、僕は性的指向によって誰かから奪ってよい理由はどこにもないと思います。

同時に、大切な人が倒れてからでは間に合わないのも事実です。任意後見契約や事前の意思表示、診療情報を伝えてよい相手の登録、緊急連絡先、公正証書による遺言などは、法の空白を完全には埋められなくても、崖を浅くしてくれます。

そして、その備えを個人の自己防衛だけに押し付けないために、婚姻の平等と医療代理制度の整備を、社会と政治に求めていきたいと思います。同性婚は、特別な権利を求める話ではありません。倒れたときに大切な人のそばにいたいという、だれもが当たり前に持つ願いを、同じように持ちたいというだけのことなのです。

よくある質問(FAQ)

同性パートナーが倒れたら|面会も同意もできない現実と同性婚

Q1. パートナーシップ制度があれば、医療現場でも家族として扱われますか?

A. 一定の助けにはなりますが、万能ではありません。大阪府のように公立病院の面会などで使える先を公開する自治体もあり、関係性を説明する補助にはなります。ただし制度に法的な拘束力はなく、医療同意の権限を与えるものでもありません。民間病院を縛ることもできないため、対応は相手次第になります。

Q2. 同性婚が実現すれば、医療同意の問題はすべて解決しますか?

A. 大きく改善しますが、すべてではありません。配偶者として面会や説明の入り口は通りやすくなり、精神科の医療保護入院でも同意権者に含まれます。一方で日本では、異性婚の配偶者でも包括的な医療同意権を当然には持たないため、本人の意思を事前に記録しておく備えは、婚姻が実現しても引き続き重要です。

Q3. 今すぐできる備えには、どんなものがありますか?

A. 目的ごとに文書を組み合わせるのが現実的です。療養や手続きを託す任意後見契約(公正証書)、延命治療などの希望を残す事前の意思表示、病状を伝えてよい相手を決めておく診療情報提供の同意、緊急連絡先の登録、そして公正証書による遺言などです。一枚で万能な紙を探すより、医療・契約・情報・死後のことを分けて備えるのが要点です。

筆者より

この記事を書きながら、何度も「会えない」「決められない」という言葉の重さを思いました。これは制度の不備であると同時に、人の尊厳に直結する問題です。

当事者が自分や大切な人を守るために自衛するのは大切なことです。けれど、その負担をすべて個人に背負わせるのは、本来おかしいはずです。

倒れたときに、家族でいられる。その当たり前を、社会全体で支えられる国であってほしいと願っています。

参考資料

  • CALL4:結婚の自由をすべての人に訴訟
  • 藤野英明 公式ブログ(横須賀市立2病院の同意書署名指針/署名は自己申告で可、「3年同居・家族確認」報道は誤りと明言、2016年9月)
  • 横須賀市「性的マイノリティ施策」「パートナーシップ宣誓証明制度」公式
  • カナロコ(神奈川新聞)・東京新聞(横須賀市、同性カップルの住民票続柄を「夫・妻(未届)」に、2024年7月・神奈川県内初)
  • 埼玉県立病院「同性パートナーへの病状説明、治療同意等の状況について」
  • ハフポスト(レズビアン女性の分娩受け入れ拒否に関する報道)
  • 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」
  • 厚生労働省「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」
  • 個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」Q&A
  • 国税庁タックスアンサー(相続人の範囲、相続税額の2割加算、配偶者の税額軽減)
  • 大阪府「パートナーシップ宣誓証明制度の利用先一覧」
  • 渋谷区「パートナーシップ証明制度の実態調査2022」
  • 参議院質問主意書答弁書、衆議院調査資料
  • Marriage For All Japan、虹色ダイバーシティ(パートナーシップ制度調査)
  • 海外資料(米国CMS訪問権規則・ニューヨーク州の医療代理、英国Mental Capacity Act、ドイツ民法1358条、台湾患者自主権利法)

※本記事について、事実関係の誤りや最新情報の追加などお気づきの点がございましたら、ぜひコメント欄でお知らせください。

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